名前を変えます。アルゴルズムのために

メイメイ

突然ですが、この度名前を変えることにしました。

旧:柴田暁
新:シバタアキラ

そして今まで密かに書きためていたこのDATAブログを公式にオープン致します。 引き続き白ヤギコーポレーションでの研究所ブログ、AIALも、より技術的な内容で書いていきたいと思っております。先日の天使の皮を被った数学者の記事には大変たくさんの反響を頂きありがとうございました。

DATAブログでは、今まさに世界で起こりつつある大きな変化について、私なりの考察をしていきたいと思っています。大きな変化とは、データのことです。ビッグデータとそれを解析するためのアルゴリズム。今までは理論的にしか考えられていなかったことが、どんどん現実のものとなり、今までは考えも及ばなかったことが可能になっています。

現実のもの:私の改名の理由はアルゴリズムのためです。

「柴田暁」でグーグル検索すると、爽やかな顔つきのバイク男が現れますが、それは私ではありません。「シバタアキラ」で検索するとネット詐欺被害者の報告が出ますが、それも私ではありません。

唐突ですが、アルゴリズムと地形の関係についてお話します

(ここからのお話は、このKevin SlavinのTEDトークが元ネタです。)

x_dbfeb7695a11eada0fd2616acec6cc5dこの写真、きれいな冬の山の写真のようですが、実は、ダウ・ジョーンズの株式市場のインデックス(経済成長の指標)の変化を1980から2009まで、克明に表したMichael Najjarという方の作品です。2009年の金融危機に代表されるように、経済成長は大きな山と谷を経験してきましたが、別の見方をするとこれはビッグデータとアルゴリズムの歴史でもあります。

現在株式取引の大部分はアルゴリズムによって行われています。「大部分」と言うのは、70%とか、非常に大きな部分です。2010年5月6日2:40に起こったフラッシュ・クラッシュと言われる出来事では、わずか数分の間に株価が9%も急落し、大混乱を招きました。アルゴリズム同士の連鎖反応が原因だと考えられていますが、未だにその正確な経緯は理解されていません。

flash-crash-dow-popupアルゴリズムは今や一秒の百万分の一単位(マイクロ秒)の時間で取引をしています。もしもある金融商品が実際の価値よりも少しでも過小評価されていると判断したら直ぐに買い注文を行います。もし数マイクロ秒でも遅くなれば、チャンスを逸してしまいます。

ニューヨークのハドソンストリート60番に立つWest Unionビルは、インターネットにとって世界で最も重要な場所の一つです。インターネットのケーブルがニューヨークで一番最初に地表に出るため、文字通り世界の金融情報の「源」とも呼べるこの場所は、どこよりも早くニューヨーク市場の取引情報が手に入る場所です。1マイル南に離れたウォール・ストリートと比べると8マイクロ秒も早く。だからヘッジファンドと呼ばれるアルゴリズム取引を専門に行う会社はこの建物やその周辺にサーバーを置き、取引をしているのです。そして、シカゴで取引をしているアルゴリズムにも朗報です、何故ならば、新しいファイバーケーブルがより直線距離でニューヨークとシカゴをつないでいるいま、以前よりも3マイクロ秒早く情報を手にすることができるからです。

Screen Shot 2015-01-13 at 2.42.40 AMこの話のはじめにもどって考えてみてください。山がダウ・ジョーンズのインデックスの形をしていたのはあくまでも比喩でしたが、実はあれは事実です。ニューヨークからシカゴに真っ直ぐな海底ケーブルを引くために、人々はダイナマイトで地形を削り、アルゴリズムのために最適な環境を作っているのです。そう考えるとアルゴリズムはただのツールというよりも、人間ともに進化する(もしくは人間を操る)生物とも考える事ができるのではないでしょうか?

ビッグデータを解析するためのアルゴリズムは人の名前を変え、地球の地形を変える。これからビッグデータはどのように世界を変えていくのか、考えるとドキドキします。