プロダクトの魔力:FY16を振り返る

「日本のビジネスは最高に調子がいい、お前とシゲルのおかげだよ。もし俺がどれだけ感謝してるかわからなかったら・・、いやもうこの前も取締役会で日本が調子がいいのを自慢し過ぎてうざがられてるくらいなんだよ。どうもありがとう」

久しぶりに訪れたボストン。ボストン本社も4回目となると、気心の知れた仲間も増えてきた。たった2日の短かい滞在だったが、同じ志を持って一緒に働いている人たちと築いてきた信頼関係を深く感じることができた。

DataRobotの会計年度は1月締め。このスタートアップに加わって日本ビジネスの立ち上げを1人で始めてから1年余り。CEOに1年間の活動報告を行った。素晴らしいプロダクトと力強いパートナーの後押しがあったが、自分の貢献も非常に大きく、今年の日本での結果は本社の誰が描いていたシナリオよりも高い成績を収めた。大きな達成感、素直に嬉しい。

素晴らしいプロダクトの魔力を強く感じ続けた一年だった。誰もがビジョナリーと認めて疑わないCEOのビジョンを、社員と投資家が3年間信じ続けて作ってきたプロダクトは、日本でもほとんどすべての顧客に驚きを持って迎えられた。「大きな会社は意思決定が遅い」そんな常識が覆るのを何回も目撃した。同じ「機械学習」というテクノロジーを提供するにも、コンサルティングや、開発プロジェクトとしてソリューション提供することと、完成したプロダクトとして提供することの違いがこんなにも大きいのは意外な程だった。

「売上を求めて未完成のプロダクトを持ってマーケットに行くのは惨めだよ。逆に素晴らしいプロダクトを持っていれば、何もかもが楽になる」

リーンスタートアップや、アダプティブ戦略とは全く逆向きの戦略。

帰国前夜、ついこの前チーフ・マーケティング・オフィサーになったティムとの食事「もう何年もこんなにハードに働いてこなかったから、体がなまってるのを感じるよ。この会社の人はみんなものすごく働く。でも不思議なのは、みんな『忙しい』とは口にするけれど、そのことを不満に思ったり、不平を言ったりする人は誰もいない、ジェレミーのビジョンを実現するために、みんなが同じ方向を向いて進んでるからなんだろうね」- ブラックかホワイトかというと真っ黒な会社。社長も「俺はいっぱい働くやつを大切にする」とハードワークを真っ向から肯定する。プロダクトの魔力はすごい。

今年自分に課した目標の一つは、積極的に発信していくこと。ここ1年の仕事の中で、機械学習技術(「人工知能」でもいいけど)がどのように応用できるのかに関して、数多くを学んできた

  • どういう段階の会社・プロジェクトに機械学習の導入が向いているのか
  • どういう業界において、どのように応用していくことができるのか
  • どういう種類の問題ならばうまく予測することができるのか
  • 予測以外にも機械学習にはどのような利用価値があるのか
  • どういう問題に機械学習を応用するとビジネス価値が高いのか
  • アルゴリズムを書くことが自動化されたとしてもどのようなところに使い方の落とし穴があるのか
  • 機械の意思決定を人間が導入していくためにはどのようなしくみが必要なのか
  • これからどのような人たちが機械学習を使っていくのか

こんな事柄について自分の考察を体系化していきたいと思う。

直近ではこの辺のイベントにて登壇予定です:

また、PyData.Tokyoも引き続き2ヶ月に1回くらいのペースで開催中。

皆さんにお会いするのを楽しみにしています!あ、あと、DataRobotでは私達と一緒に機械学習で世界を変えたい方を募集中です。本当にすごいプロダクト、すごい会社です。ご興味ある方はこちらから:https://www.datarobot.com/careers/?gh_jid=493239