ジャパンはAI活用の最先端

こんにちは。シバタアキラです。ブログを書くのはずいぶん久しぶりになってしまいました。お仕事でお会いする方々から「ブログ楽しみにしてますよ」なんて言われると、もっといろいろなことを発信していかなくてはという気持ちがどんどん強くなる一方で、一緒にお仕事をしている方々と正面から向き合って時間を使いたいと思っていると、ブログでのアウトプットは後回しになってしまうのです。。

DataRobotに加わって3年の間が経ちました。その間、幸運にもAIビジネスの中で起こる激動の真っ只中で変化を感じることができました。 研究者として学んだ統計的データ分析の手法が、学問だけでなく、現実に人々が直面する問題に対してどれだけ汎用的にに適用されうるのか。This is ビジネスに転向して以来の私の大きなテーマでしたが、今やそれはデータサイエンティストだけの興味ではなく、大きな世の中ごとになりつつあります。

昨年1127日、DataRobot Japanでは2回目のAI Experienceを開催しました。アメリカ発のグローバル企業であるDataRobotですが、AI Experienceはここ日本を発祥とする年次イベントです。会場となった恵比寿ウェスティンホテルへは参加者が駅から長い列をなして、去年の来場者の2倍以上となる2000人以上もの方々と、イベント全体を包む熱気を楽しみました。

「日本はAIで遅れている」という意見は様々なところで聞かれます。実際のところ、日本がいかに遅れているのか、という論調は注目を集めやすいこともありますし、AIの研究において、アメリカや中国がその最先端を走っているのは明らかです。当然GAFAなどの先駆者がアルゴリズムの応用で大きく成功し、世界を席巻していることも重要な事実です。

この日本が負けてる的な論調が私は大嫌いです。「AIで日本は負けている」と発言すると優越感でも感じるのでしょうか?そもそもこの発言はヒジョーに不正確です。

社会全体で見たときに、社内の効率化、自社製品への導入、新規事業の創出、非専門家の技術活用など、AI技術の活用に関しては日本の企業は他国に類を見ない意欲の高さで臨んでいると実感しています。AI Experienceにおいても、日本の主産業である製造や小売りを始め、メディア、製薬、金融、オンラインサービス、物流など、非常に幅広い業界の企業が事例を紹介し、AI活用の最先端を見せつけてくれました。この事実を知らない人こそ、これから取り残されていく人でしょう。

各企業の既存の事業活動の中で生まれるデータには価値のあるものもあれば、簡単には価値に変えられないものもあるため、企業全体の中にあるデータを幅広く理解し、幅広くAI活用を仕掛けていく必要があります。こうした活動の支援をしていく中で、昨年一年を通じ、企業でのAI活用方法を体系化することができました:

  • AI活用に向いた課題創出方法
  • 活用テーマのROI推定方法
  • 技術活用におけるリスク算定方法
  • 社内導入に巻き込まなくてはいけないステイクホルダー
  • 全社への拡大(民主化)につなげるための段階論
  • AI活用に必要となる非専門家人材・チームの開発
  • データサイエンティスト等の専門チームの組成と教育

このような、企業における「ソフトスキル」の獲得が技術活用戦略におけるDNAのような役割をしていきます。

同時にこのような活動を支えていくためのベンダーやSIer側に求められている:

  • ツール・製品群及びそれらの連携方法
  • 外部支援体制のあり方
  • 顧客の成功を自社の成功とアラインするためのサブスクリプションビジネスモデル

についても多くの考察を得ることができました。今年はこういうテーマについて、理屈や理想だけではなく、経験に基づくリアルな知見をここジャパンからもっともっと発信していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします!

3年間で日本のDataRobotチームもこんなに大きくなりましたが、未だに真剣に仕事をエンジョイしている人たちの集団であることに日々感謝です。このチームと一緒にお仕事したいかも、という方は是非こちらをご覧ください!

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